
新装版 成功哲学
ナポレオン・ヒル(著) 田中孝顕(訳)
- ■ 出版年月日
- 2020年02月04日
- ■ ISBN
- 978-4-87771-405-5
- ■ 版型・ページ数
- 四六判 424ページ
- ■ 定価
- 本体1600円+税
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なぜ、この本は
50年経っても
世界中の成功者に読まれ続けるのか?
あなたは不思議に思ったことがありませんか?
書店ではさまざまな成功本が並べられていて、アメリカや日本を始め、さまざまな場所で巨額の財産を築き上げたり、著名になった人々の自伝的な本が並べられています。
しかし、それらの本のほとんどは、数年(早ければ数ヶ月)経つと忘れられ、人々はまた新しい成功本を求めるのです。
あなたが単にそうした本を読んで、一時的な満足感を得たいだけなら、そうした本を読めば十分でしょう。
でも、もしあなたの目的が誰かの成功話を楽しむことではなく、自分自身がそうした成功者の仲間入りをすることなら、絶対にこの本を読んでいただきたいし、読むべきだと強く確信しています。
本書はアメリカで1967年に刊行された本です。以後、早50年以上にわたり、現在に至るまで、世界中で多くの人に読み継がれて来ました。
『思考は現実化する』と何が違うの?
ナポレオン・ヒルといえば、多くの人には『思考は現実化する』が思い浮かぶかもしれません。あちらもヒル博士の成功哲学をまとめた本ですが、この本は『思考は現実化する』となにが違うのでしょうか?
その答えを読み解く鍵は、英語の原題にあります。
『思考は現実化する』 = Think and Grow Rich
『成功哲学』 = GROW RICH! WITH PEACE OF MIND
お分かりのように、「Grow Rich」は同じです。
違うのは、「Peace of Mind」……つまり、心の平安の部分です。
お金を手に入れても、心の安寧が手に入らなければ幸せとはいえませんよね。本書は晩年になったヒルが、改めて「成功とはなにか」を見つめなおし、精神的な部分にも踏み込んで、まとめなおした一冊なのです。
そもそも「成功」とはなんなのか?
多くの方がこの問いをすることなく、ただ「お金持ちになりたい」「成功したい」など漠然と考えています。しかし、ヒル博士は成功哲学をまとめるに当たり、この「成功」をしっかりと定義しました。
「成功」の定義
成功とは、他人の権利を尊重し、社会主義に反することなく、自ら価値ありと認めた目標【願望】を、黄金律に従って一つひとつ実現していく過程である。
お気づきの方もいるかと思いますが、ヒル博士は成功を「過程」だと定義しています。
これは、どういうことなのでしょうか?
よく、人間の欲望にはキリがないといわれますよね。
実際、人間が幸福を感じる瞬間は、大きく2つしかないとされています。
1.目標の実現に向けて前向きに努力しているとき
2.目標を達成した瞬間
目標を達成した瞬間は喜びがありますが、その状態が普通になると、人間はどうしても次の目標を探してしまいます。それが見つからないと、虚無感を感じて、生きている意味を見失ってしまうのです。
だからこそ、ヒル博士は本書のなかで、つぎのように述べています。
***
「汝自信を知れ」と古代ギリシャの哲学者たちは言っているが、これは、あらゆる意味で富を得たいと思っている人たちにとっては、今なお貴重なアドバイスとなるだろう。自分自信を知らなければ、あなたは未来を形づくることはできないし、まして、「大いなる秘密」の活用など、思いもよらないことである。「大いなる秘密」とは、あなたを望みどおりの目的地に運んでくれるために不可欠なものである。
***
目標を達成するには、当たり前ですが、目標がなければなりません。そして、それが他人から与えられたりした間違った目標だったら、その達成のためにいくら頑張っても、“富”を得ることはできないのです。
人生の豊かさ12
本書で、ヒル博士は「成功とは何か?」「豊かさとは何か?」「なにが成功と豊かさを作り上げるのか?」を述べています。
ここではその中の一部、人生の豊かさの分類について、12に分けて紹介されています。
1.積極的思考法(PMA)
2.心身の健康
3.人間関係での調和
4.すべての恐怖からの解放
5.将来の成功への希望
6.信念を持つ脳力
7.他人の幸福を喜ぶ気持ち
8.自分の仕事への愛
9.すべてのものに対するこだわりのない心
10.いかなる状況でも自制心を持つこと
11.他人を理解する度量
12.十分な資金
以上が心の平安と共にある、また、あらねばならぬ豊かさである。私が金を最後に挙げたことに注意してほしい。これは、「十分な金がなくては、心の平安を保つのは難しい」という私の主張とは矛盾するようだが、もし私がこれを最後に挙げなかったら、おそらくあなたは、これを最初に挙げてしまうだろう。私はこのことをあまり強調しすぎないようにしているのだ。あなたの注意を促すために、次のことを覚えてもらわなければならない。
金で買えるものはたくさんあるが、心の平安は金では買えない。金は、あなたが心の平安を見つける手助けをするだけだ。ただしあなたが自分自身の内部の力を出さない限り、たとえお金でもその手助けはできないのである。
本書は、「ホンモノの成功」を手に入れたいあなたのためにあります。
目次
訳者まえがき
第1章
自分の心を知り、自分の人生を生きよ
あなたの心は独立国となっているだろうか
自分に脳力がないと信じるのは、地球が四角形であると信じるのと同じである
ちょっとした言葉による刺激が私を大きく変えた
アンドリュー・カーネギーの「莫大な財産」の秘密
権威者の言葉にふりまわされるな!
逆境? それはつまづずきの石ではなく強壮剤である
W・クレメント・ストーンの決断
アーノルド・リードのドラマチックな話
成功を意識することの重要性
成功意識は、すでに失敗の経験のある心にもそそぎ込むことができるのだろうか?
天上の鐘が喜びで鳴り響くとき
あなたの心の城に精神的な城壁を持て
▼サクセス・エッセンス
1 自分に脳力がないなど信じるな!
2 逆境? それはつまずきの石ではなく、強壮剤である
3 成功意識に満たされた心は、すばやく有能な働きぶりを示す
4 成功意識は、他人の心にもそそぎ込むことができる
5 心の城の中に精神的城塞を持て
第2章
成功とは、自分自身の人生を生きること
自分自身の人生を生きよう
他人の誘惑にのって、自分が自分であることを放棄してはいけない
心の平安が保たれているか、チェックしてみよう
私は私のために存在する
他人がその人自身になりきることを妨害してはいけない
自分を失うことは、ほかのすべてを失うのと同じである
自分の主人は自分である
心の平安は、農夫の心構えで得ることができる
自分の人生を生きるためには、大掃除が必要になることもある
▼サクセス・エッセンス
1 人間を形成する基本的動機
2 他人の誘惑にのって、自分が自分であることを放棄しないこと
3 どんな人間も、自分の人生を生きる必要がある
4 あなたの主人はあなたの心だけである
第3章
あなたのすべてを左右する信念の力
思考を現実に変える“大いなる秘密”
信念はあなたの肉体をも支配する
潜在意識に植えつけられた信念は変更不可能である
人間は五感を超えた力を出せる
信念が達成するものに限界があるだろうか
心で信じることができるものは達成できる
強く、強く、強く信じよ
目標達成のための深層自己説得の仕方
誰でも今の自分を超えることができる
自由な心、平安な心は無限の力を秘めている
▼サクセス・エッセンス
1 人間の心が信じられることは、何でも人間の心が達成できる
2 意識と潜在意識
3 潜在意識に力の限界はない
第4章
富を分かち与えると、よりいっそう多くの富を得る
彼は自分の仕事時間の九〇パーセントを人のための奉仕に用いた
相手のためになるものを提供することは、自分のためにもなる
金はその使い方を知っている人のところにやって来る
富が富を呼ぶということ
成功哲学の勝利
分かち合うことの素晴らしさ
▼サクセス・エッセンス
1 多く与えるほど、多く戻ってくる
2 富が富を呼ぶ
3 富を築くがごとく、自分自身の心の中に幸福を築くことができる
4 富を分かち合うことの素晴らしさ
5 誰にも、分かち合えるものがある
第5章
過去の扉を閉じよ
災い転じて福となす
逆境の中には、すべてそれ相応かそれ以上の大きな利益の種子が含まれている
「時」は素晴らしい魔術師だ
失敗を話せば失敗が、成功を話せば成功がやって来る
富裕と心の平安の関係
自分の仕事と自分の金が、自分以外の人に役に立つようにすること
自分が成功するために、他人を傷つけてはならない
過去の扉を閉じたら、もう開けないことだ
ほんの少し余分に進む
▼サクセス・エッセンス
1 逆境の中にはすべて、それ相応かそれ以上の大きな利益の種子が含まれている
2 人生には、状況の組み合わせが無数にあることをいつも頭に入れておく
3 失敗のことを話しておくと、失敗がやって来る。成功のことを話していると、成功がやって来る
4 富と心の平安の間には、はっきりした関係がある
5 ほんの少し余分に進む
第6章
心の内に宿る無限の叡智の声に耳を傾けよ
アンドリュー・カーネギーのアドバイス
「最終的には、何も問題ではない」
目に見えない、奥深い知恵の力
なぜ、人生を心配ごとで埋めつくすのか?
自分の人生を生き抜いたエルバート・ハバートの満足感とは?
金では買えなかったロックフェラーの心の平安
人生のジャングルを、見えない見張りとともに進む
心の内から聞こえてくる無限の叡智の声
祈ることで道は開ける
大いなる旅の果てには、人生成功の玉手箱が待っている
人生は自己訓練と発展の場である
▼サクセス・エッセンス
1 偉くなれても、それは束の間のこと
2 最終的には何も問題ではない
3 なぜ恐れるのか?
第7章
心の中に富を築こう
成功は心の中の富で測られる
富の可能性を見る者のもとに富は来る
心の富とは心の平安のことである
与えるものは限りなく与え、取るものは決まった分だけですます
無報酬の講演の報酬
自分がしてほしいことは人に対しても行うこと
他人への心遣い、それが『黄金律』である
少なすぎる報酬を考える
『黄金律』をごまかすことはできない
▼サクセス・エッセンス
1 富を構成するものは何か
2 心の平安は富である
3 『黄金律』とは何か
第8章
金の主人は誰か?
心の平安が保てるのは……
大きな水しぶきの音をたてる者
「自分の財産が取られてしまう!」
一〇〇〇億ドルほしがった男
あなたにいちばん有益な金は、あなたに有益な仕事から得ることが多い
収入の道を拓く基本ステップ
稼いだ金の一部は、手元に残さなければならない
▼サクセス・エッセンス
1 あなたは金の主人か? それとも金があなたの主人か?
2 あなたにいちばん有益な金は、あなたに有益な仕事から得ることが多い
3 富への道を拓く基本ステップ
4 稼いだ金の一部は、手元に残す習慣をつけよう
第9章
恐怖を取り去れば、自由な生き方ができる
恐れている対象をよく知ることは、その恐れを克服する唯一の手段である
貧困の恐怖は全身への踏み台に転化せよ
批判される恐怖に対処する法
病気の恐怖は実際に病気を呼び込む
本物の愛には恐怖などない
あなたは本当に自由だろうか
老いのハンディは心の中にしか存在しない
死の恐怖は死ぬときにはすでにない
人は自分の心を所有して生きるように作られている
▼サクセス・エッセンス
1 恐れの害を見つめよう
2 あなたの心には、願望を実現させる無限の力がある
3 愛や自由を奪うのは恐怖だけである
4 若さの去った年齢は、あなたの最も良き人生になりうる
第10章
エンスージアズム(熱意)が人を、そしてあなたをも動かす
エンスージアズム(熱意)の偉大な力
二つの手紙で、私は同じことを述べたのだが……
プラスアルファの力を生むエンスージアズムの秘密
エンスージアズムは伝染する
物事は肯定的にとらえよう
良い売り方とは正直な売り方のこと
エンスージアズムがあっても成功しない人とは?
就職の面接のときのエンスージアズムの向け方
一歩、後ろへ下がって広い視野を持つ
就職活動で踏むべきステップ
あなたは、自分に対してエンスージアズムを持っているか?
▼サクセス・エッセンス
1 エンスージアズムと行動
2 否定的対肯定的
3 エンスージアズムは集中して向ける
4 広い視野
第11章
成功のためのパフォーマンス
自分の心と自分の進む方向を知ること
きちんとした身なりよりも強力な自我
セールスパーソンは自我で売る
自我を立て直すことにより富を得たレイ・カンリフの話
自我のイメージを描いて、まず最初の手当てを
自我の推進装置は、探せば見つかる
▼サクセス・エッセンス
1 健全な自我を持つとはどういうことか
2 セールスパーソンは自我で売る
3 自我の建て直しと富の獲得
4 自我の推進装置は、探せば見つかる
第12章
「代償」を支払うことを怠るな
「代償」は必ずやってくる
『代償の法則』を実践する
自分の成功ノウハウをタダで渡す
『代償の法則』が私のために働き始める
私は特別な「代償」を見つけた
「すべての行為は、それ自体に報いる」
私たちの取引には、沈黙の第三者が立ち会っている
実践的哲学者になろう
行動する実践的哲学者とはどんな人か?
実践的哲学者としての祖父の教え
▼サクセス・エッセンス
1 得のある行為は必ず報いられる
2 人をごまかせば、そのことで心を痛めるのが人間である
3 恐れを抱かなければ、心は常に自由でいられる
4 実践的哲学者として生きる
第13章
富と平安をともにもたらす基本的な心構え
人間の心はどんなコンピュータより素晴らしい
これは「天才」だけの秘密なのだろうか
積極的心構え(PMA)は、別の人間のPMAに波長を合わせる
人生における七つのヤル気の元
あなたを護衛する八人の騎士たち
「物を獲得しようとする動機」と「自由を求める動機」の間の対立を防ぐ
人生は、自分の考えを自分に送り返す
▼サクセス・エッセンス
1 積極的な心の姿勢を維持すれば、人生は「イエス」と答えてくれる
2 確固とした願望や目標を持って、心構えをコントロールする
3 七つのモチベーションをコントロールする
4 自分のモチベーションが対立するのを防ぐことができる
第14章
心安らかに、最高の自分を生きようではないか
心の平安はお金では買えない
人間精神の向上に向けて
この世には恐れるものなど何もない
心の平安を生み出す要素としての人類の叡智
あなたの人生の究極の成功のために
▼サクセス・エッセンス
1 自分の心を知り、自分の人生を生きよ
2 成功とは、自分自身の人生を生きること
3 あなたのすべてを左右する信念の力
4 富を分かち与えると、よりいっそう多くの富を得る
5 過去の扉を閉じよ
6 心の内に宿る無限の叡智の声に耳を傾けよ
7 心の中に富を築こう
8 金の主人は誰か?
9 恐怖を取り去れば、自由な生き方ができる
10 エンスージアズム(情熱)が人を、そしてあなたをも動かす
11 成功のためのパフォーマンス
12 「代償」を支払うことを怠るな
13 富と平安をともにもたらす基本的な心構え
14 心安らかに、最高の自分を生きようではないか
著者について
ナポレオン・ヒル
1883年、バージニア州南部で生まれる。
1908年(25歳)に記者として働いていたとき、アメリカの鉄鋼王、アンドリュー・カーネギーを取材。その際、成功者たちの話をまとめた「成功哲学」の完成を依頼され、わずか29秒で快諾。アメリカを代表する成功者500名以上と会って話を聞き、カーネギーと約束を交わしたちょうど20年後の1928年(45歳)に、人生を成功に導くノウハウとして「成功法則」を16セッションからなるプログラムとして発表した。以後、『The Think and Grow Rich』(邦題『思考は現実化する』)などの著書を書いている。
ヒル自身も成功者たちの対話から成功を果たし、第一次世界大戦中にはウッドロー・ウィルソン大統領の広報補佐官、1933年にはフランクリン・ルーズベルト大統領の補佐官を勤めている。とくにルーズベルト大統領時代には、名演説の一説「われわれは恐怖以外には何も恐れるものはない」の草稿を作るなどした。
やがて1952年(69歳)、すでに引退を決め込んでいたヒルは保険会社を起こしていたW・クレメント・ストーンと出会い、活動を再開。ナポレオン・ヒル財団を設立して、『成功哲学』『自己実現』などの著書をさらに上梓し、1970年に死去した。1988年には日本支部(現在のナポレオン・ヒル財団アジア/太平洋本部)が発足し、彼の死後もヒル財団は成功法則の普及活動を続けており、現在も数多くのビジネスパーソンに多大な影響を与え続けている。
田中孝顕(たなか・たかあき)/訳
1945年1月生まれ。国学院大学法学部卒。総理府(現・内閣府)事務官(公正取引委員会事務局〈現・総務省/公正取引委員会〉)、東急不動産(株)企画部、総務部を経て、1973年4月、SSI人材活性研究所を設立。1979年2月、(株)SSI人材活性研究所〈商号はその後、(株)エス・エス・アイに変更〉を創業し、代表取締役社長・最高経営責任者に就任。2007年株式会社エス・エス・アイ退任、現在、同社最高顧問となる。『SSPSシステム』を開発。『ナポレオン・ヒル・プログラム』その他、各種プログラムを翻訳・開発した。『速聴機』を企画・開発し、ギネスブックから認定書を授与される。著書に『聴覚刺激で頭の回転が驚くほど速くなる』、別ジャンルでは、『日本語の真実』、『ささがねの蜘蛛』(幻冬舎)、訳書として、マーク・セバ『接触言語ピジン語とクレオール語』、エメノー・バロウ『オックスフォード大学トラヴィダ語語源辞典』など多数。2002年11月、米国ナポレオン・ヒル財団の上級顧問(シニア・アドバイザー)、ナポレオン・ヒル財団アジア/太平洋本部理事長に就任。2003年3月、日本人として初のナポレオン・ヒル・ゴールドメダルを受賞。2004年度には、高額納税者ベストテンに輝く。